フェルメール『牛乳を注ぐ女』摸写 45.5×38cm
この作品はフェルメールとしては比較的初期の作品で、まだ画風も確立しておらず、試行錯誤、徹底的に一枚に取り組む(初期にはこれ大事)ということでこのようなしつこいタッチ数、ストローク数になったのではないかと思われます。中期の作品になると『牛乳を注ぐ女』とは違い、ソフトフォーカス写真のような優しい洗練された画風になってますね。さらに後期になると平面的にベタっと塗ったものになってます。
最近思うのですが、フェルメールの絵は細かいし、またカメラ・オブスキュラを使ったのだとしたら、案外暗いところで描いていたのではないかという気がします.。暗いところでないと投影画像が鮮明に写らないから。だとしたら案外フェルメールはそのために眼を悪くし、それで後期は(まだ40歳そこそこなのに)あの初期の緻密さ、執拗さを失ってしまったのではないか、そんな気がするときがあります。実は私も二十歳前に暗いところで絵を描いてて視力を落としました。それまでは両目とも2.0でした。だからというわけでもないのですけど。
『第三都市 幻想画家:福本晋一ウェブサイト』
http://www7b.biglobe.ne.jp/~fukusin/
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