飛行機の時代になぜ戦艦大和を作ったか

なぜ戦艦大和を作ったのだろうかというのはよく見かける疑問である。 世界最大の戦艦、大和が完成したのは対米戦争開戦とほぼ同時だが、ふたをあけてみれば戦争は飛行機の時代になっていたので、大和は何もできないまま飛行機の攻撃によって沈められてしまった――とそう言われているが、確かに、飛行機の時代(空母の時代)になるってことを、大和を作り始めたときに分からなかったのかと思ってしまう。 この疑問…

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クラシック音楽とはつまりソナタ形式である~ソナタ形式論

クラシック音楽でよく聴く『ソナタ形式』という言葉。しかし『ソナタ形式とは何か』ときたら、なかなか難しい。wikipedeiaなどでも、わかりやすく説明されているとはいえず、主題提示部やら展開部やら、主調の属調の第二主題やら、お経めいたことばかりが書き連ねてある。 それでも私は、ソナタ形式にクラシック音楽がクラシック音楽であるところの神髄があると考えている。『ソナタ形式は何か』と問うことは、…

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絵画にタイトルなんか要らん

新作です。またタイトルに困る。しかし、私はどうも自分で思うに 絵画にタイトルなんかいらん と考えているところがあるようです。音楽なんかもいわゆる純粋芸術の音楽なんて、タイトルないですよ。『交響曲第4番変ロ長調』これだけ。『英雄』だの『運命』だのはあとから誰かがつけたものがほとんどで、実際ニックネームという扱いです。そのニックネームも分類やら、話題に上げやすいようにと『便宜上』のために…

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〈日本〉という束縛~日本因数分解論~日本は実はふたつある

 日本はまず因数分解して捉えられなくてはならない ――または日本因数分解論 〈日本〉とは、とどのつまり何なのだろう? 実際、〈日本〉なるものが特別な探求の対象になっていることは、本屋や図書館に「日本人論」という妙なコーナーがあることからも明らかである。しかしそこに並んでいる本の中にも「日本とは何か」という問いに明確な定義的答を出している本はない。たいていの「日本人論」は「日本人はこう行動し…

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真珠郎はどこにいる?~横溝正史『真珠郎』のモデルとなったモボ

私は特に横溝正史ファンなわけではありませんが、『横溝正史読本』という横溝のインタビュー本は大好きで、今でも読み返します。その中で今回読み直して気づいたことがあるので書いておきます。 今回読んで目にとまったのは、横溝さんがやたら青年期の探偵作家仲間である中村進治郎なる人物を「いい男だった」「美少年だった」と連発していることでした。そういえば横溝の作品には美少年が出てくることが多い。代表作の『…

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『邪馬台国』と『やまと』が似てる理由~盗まれた邪馬台国

『やまと』は、日本国の古称だと思っている人が多いが、実は古代人がこの列島の国を『やまと』と呼んでいた証拠は実は何もない。 それは、江戸時代後期の有名な国学者本居宣長が、漢心(からごころ)に染まる前のこの国独自の純粋なものを追及しているときに、『日本』という漢字名(つまりは外国語名)を嫌い、なんとか見つけてきた言葉なのだ。 確かに日本書紀には「日本これをばやまとという、以下これにならえ…

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世界堂絵画大賞展2018に入選させていただきました。

今年初めて出した『世界堂絵画大賞展2018』に入選させていただきました。 題は『旅立ち』 (F30号 油彩)           旅立ち 油彩 72.6×91㎝ 展覧会は東京だったので行けませんでしたが。 風景を見つめている少年、もしくは少女をよく描くことが多い私ですが、今回はひとりだけではなく、珍しくふたり。姉弟らしき子供ふたりを描いてしまいました。なんで今回に限ってふ…

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エアコンの送風ダクトを手作りしました。

エアコンの分岐送風ダクトを作ってみました。 というのもですね。私のアトリエは、リヴィングルームを5つの本棚でもって仕切った半分、そこを当てているのですが、エアコンは私のアトリエじゃないほう、それも写真で分かるように1番端っこについていて、冷たい空気がアトリエまで来にくいからです。 冬の暖房の空気は、自然と上にあがりますから本棚の上を通じて、まだ来るのですが、冷たい空気は下へ行…

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2018こうべ市民美術展に佳作入賞させていただきました。

今年度の『こうべ市民美術展』に佳作入賞させていただきました。 この美術展は好きです。なぜなら、MAXの大きさが50号だから。通常、市展は100号まで可というのが多いのですが、歩いて持っていけるっていったら50号までですからね。100号って自家用車はもちろんワゴン車でも運べません。バン以上じゃないと。 ということで50号で描いたわけですが、ちょっと制作にかかるのが遅かったかなと反省。も…

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なぜ桃太郎はきびだんごで仲間を集められたか

今日も私はひとつの発見をした。しかし、すぐに私は冷静になり、この発見、もうとっくに誰かが見つけてるだろうと思った。しかし、ネットで調べてみると、どうやらまだ出てない! そこで一応書いときます。それは桃太郎の話の真実。 まあ、童話、御伽噺を精神分析的に解析するのも今さらと思うのですが、桃太郎についても、いろいろ書かれてますね。よくあるのは、桃太郎の鬼退治は、海外遠征、ときには、近代日本の、大…

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『仮面の告白』存在の証としての誕生と死、『豊饒の海』何作も書き続けることの暗喩としての輪廻転生~私の三島由紀夫論

三島由紀夫はなぜあのような異様な死に方をしたのか。それが説明しがたい理由は、そこに通常の人間の感覚では分かりにくいポイントが秘められているからに違いない。そのポイントとは何か? 無論それこそ難問である。しかし、私は最近、学生時代によく読んだ三島由紀夫を読み返していたさい、そのポイントに関係すると思われるある重大な符号に気がついた。まずはそれから述べさせていただこう。 それは彼の晩年のエッセ…

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芸術家に一番必要なものは感性でなく虚無

芸術家に一番必要なものは何か? それは、 欠損の感覚だと思う。『虚無』と言いかえてもいいかもしれない。 多くの人は芸術家に一番必要なものは「豊かな感性」というかもしれない。確かに『感性』は必要だ。しかし『感性』など早い話、誰でも持っているのである。岡本太郎が言ったように、『常識』でそれが覆われてしまっているだけの話で。 また『頭脳』なども芸術家には大して必要はない。小説家のモ…

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第11回全国公募西脇市サムホール大賞展に入選しました

『第11回全国公募 西脇市サムホール大賞展』の入選通知が来る。今回は入賞じゃなくて、入選ですけど、正直な感想、「ああ、よかった」と胸をなでおろした気分です。(展覧会会期は2017年10月29日~12月3日) 前回、準大賞いただいて、今夏、個展をやらせていただいただけに、落ちたらカッコ悪い、というか、本人が落ち込むのは必定。とは言うものの、実は、ひとり3点まで応募できるところを今年は、個展が…

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『福本晋一展』やってもらってます in 西脇市岡之山美術館

8月7日から8月26日まで、西脇市『日本へそ公園前』駅のまん前にある西脇市岡之山美術館にて、『福本晋一展』を開催してもらっております。もちろん初の個展。とてもうれしいです。関係者の皆様ありがとうございます。 出品は油絵ばかりで25作、うち新作16作。 美術館に置いていただくチラシも自分で作りました。(ただし金がないのでモノクロ) チラシとか本の表紙とか作るのは結構やっ…

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ベートーヴェンの「最高傑作」弦楽四重奏曲第14番が表すもの

ベートーヴェンの最晩年の作品、弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調は、ベートーヴェン自身「最高傑作」と言ったという。実際、古参のベートーヴェンファンにはこの曲を「最高傑作」と思っている人は多いようだ。その一方で、「いまだ良さが分からない」というベテランリスナーも多くいるという案外と評価が定まってない印象の作品でもある。 どちらにせよ、この曲は、一般の人には、第1楽章の憂愁と第5楽章の諧謔性が耳を引…

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ベートーヴェンの最高傑作は何か?

ベートーヴェンの肖像を描いてみました。             ところで、ベートーヴェンの曲は好きなのですが、ちょっと頭で考えすぎじゃないかと思うことがあります。観念が先行してしまいがちのときがあるというか。私が一番好きなのは、ベートーヴェンをベートーヴェンたらしめた交響曲第三番英雄、すなわちエロイカですが、それはこの曲があまり頭で考えられてないからなのが大きいです。伸び伸びしている…

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サンスクリット語はギリシャ語から生まれた?!

インドのサンスクリット語とギリシャ語が似ているのはなぜだろうか? 梵語とも呼ばれ、お経の原典の言葉でもあり、古代インドの雅語とも学問語とも言われるサンスクリット語は、古典ギリシア語やラテン語にきわめて類似していて、この三つは三大古典語などとも言われている。特にサンスクリット語とギリシャ語との共通点はよく知られ、それゆえに、ヨーロッパ人と古代インド人(特に支配者層であったインド人)はもともと…

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ジョンソン・ワックス社ビルと仏教建築

フランク・ロイド・ライトの建築が日本建築の形態の影響を受けていることは誰もが知るところである。ロビー邸は平等院鳳凰堂(下図)だし、ユニティ教会のプランは、日光東照宮の本殿と拝殿を『呂』の字型につなぐプランを踏襲している。 この『呂』の字型プランは、落水荘と並んで彼のもっとも有名な建築ジョンソン・ワックス社ビルでも使われている。 そして上図のジョンソン・ワッ…

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レオナルド・ダ・ヴィンチ 本当の自画像

これはあまりに有名なレオナルド・ダ・ヴィンチの顔ですが、実はこのレオナルドが描いたオッサン、いやデッサンが本当にレオナルドの自画像なのか証拠は何もない。「わしの顔」なんてどこにも書いていないのだ。いかにも偉人の肖像にふさわしいということで自画像と『されている』だけである。 もちろん自画像の可能性もないことはない。しかしレオナルドは67歳で死に、65歳くらいのときにはもう手がまともに…

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ニーチェの発狂、そして永劫回帰の正体

1.ニーチェの病気、発狂の正体 ニーチェは、45歳で発狂し、その後、正気に戻ることなく55歳で没した。少年時代からニーチェの体にはおかしいところがあった。頭痛、眼痛、めまい、吐き気の発作を繰り返して起こしていたのである。26歳で大学の正教授(!)になりながら、35歳で退職を余儀なくされ、以降、孤独な著述活動に専念することになったのも、その発作のゆえであった。 この病気は、少し前までは…

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