ジョンソン・ワックス社ビルと仏教建築

フランク・ロイド・ライトの建築が日本建築の形態の影響を受けていることは誰もが知るところである。ロビー邸は平等院鳳凰堂(下図)だし、ユニティ教会のプランは、日光東照宮の本殿と拝殿を『呂』の字型につなぐプランを踏襲している。 この『呂』の字型プランは、落水荘と並んで彼のもっとも有名な建築ジョンソン・ワックス社ビルでも使われている。 そして上図のジョンソン・ワッ…

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白井晟一論~再統合を暗示するアクティヴな廃墟

白井晟一論1.再統合を暗示するアクティヴな廃墟 静岡にある白井晟一の最晩年の傑作「芹澤銈介美術館」~別名「石水館」(下図)をして、ある方がブログで『国籍不明の要塞』という表現をしていた。白井の晩年の石の建築に対しまさに言い得て妙である。 白井晩年の荒肌の石で築かれた建築(実際の構造体は鉄筋コンクリートで、石は化粧として張っているのだが)は、フランスのカルカッソンヌのような西洋…

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カルロ・スカルパ論~洋の東西を表すブリオン家墓地

1、建築物設計を超える建築家 私が好きな建築家は、フランク・ロイド・ライト、白井晟一、そしてイタリアのカルロ・スカルパの三人であるが、この三人には共通するところがある。三人とも建築史的には主流とは言えない。特にスカルパは、建築家と呼ぶことさえやや躊躇したくなるところがある。スカルパの作品には建築物らしい建築物がない。建築としての全体像を把握できる作品がきわめて少ない。いや、ないと言ってもい…

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有機的建築とは何か? その機械美との相似

私はフランク・ロイド・ライトの建築が好きだ。なぜかといえば美しい、もっと平たく言えば「かっこいい」からだ。「かっこいい」――なんという子供じみた言葉であろうか。であるが実感なのだから仕方がない。しかしライトの建築は、軍艦、飛行機、あるいは未来的宇宙ステーションの想像図といった男児が喜ぶような「かっこいい」ものを連想させるところがある。案外と『かっこいい』という表現は、ライト自身が自分の建築に名づ…

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